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2009年12月 アーカイブ

2009年12月16日

帰る場所

友がみなわれよりえらく見ゆる日よ
花を買ひ来て
妻としたしむ

石川啄木の歌です。
高校生の頃からこの歌が好きでした。

大人になって、いろんな経験をして、
この歌の本当の良さが、だんだんとわかってきました。
もちろん、啄木が意図したものとの違いはあると思います。
私なりの解釈です。

まだ20代の頃、中学受験の塾で講師をしていたことがあります。
そこで、子どもたちのお母さんやお父さんと、
面談と称して、お話をする機会がしばしばありました。

わざわざ受験をしてまで私立の中学校に子どもを通わせるなんてことは、
地方出身の私には、いまひとつ理解できないことでもあったのですが、
そのようなことを考えるお母さんには、やはり教育熱心な方が多く、
子どもの「学習管理」や「成績管理」を厳しくこなしていらっしゃいました。

そんなお母さん方を見ている内に、だんだん私自身が辛くなってきました。

冒頭の歌を、ひっくり返すと、こんな感じになりましょうか。

友がみなわれよりえらく見ゆる日よ
家に帰ると
妻からもダメ出し

こんな「妻」(家族)とは生活したくありません。

たとえば、テストで悪い点を取った子どもがしょぼくれて帰ってくる。
ここで、「次はもっと頑張ろう」なんていって励ましたら、
今、その時点でのその子の存在を否定することになってしまいます。

「家族」は子どもにとって、とても大事な「帰る場所」なのです。
自分の存在を無条件に認めてもらえる、唯一の場所。
それを失ってしまった子どもたちは、「帰る場所」を探し求めて放浪することになる。

いいよいいよ。勉強なんかできなくても。
ダイジョウブダイジョウブ。元気でいるのが一番さ。

大人もしかり。

いいんだよ。そのままで、いいんだよ。
あなたは、そのままのあなたで、
ここに居ていいんだよ。

そんな場所、帰る場所があることが最高の幸せなんだと思います。

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